エンジニア採用の競争が加速する中、採用担当者の多くが「エージェントに連絡しても推薦が増えない」「書類選考の通過率が低く、歩留まりが改善しない」という課題に頭を悩ませているのではないでしょうか。
一方で、人材紹介エージェントとのコミュニケーションをどのように取ればいいかわからず、どのように現場での採用課題をまとめ、選考情報を含めエージェントに伝えればいいのかを知りたい人も少なくないはず。
本記事では、IT・ビジネスの上流工程エンジニア採用で数々の実績を上げてきたLeINのプロフェッショナルに大規模採用の現場で、あえて「個別の密な対応」を捨て、全体を「面」で動かすエージェントコントロール術と採用課題整理の秘訣をインタビューしました。
こんな方におすすめ
- ITエンジニア(PM、ITコンサル、上流層)の採用を担当している方
- エージェントごとの個別のやり取りに追われ、採用歩留まりが改善しない方
- 多数のポジションを抱え、採用施策の優先順位付けに悩んでいる方

持田 裕也(もちだ ゆうや):株式会社ハッカズーク レインカンパニー カスタマーサクセス部 ユニットリーダー
新卒でイベント企画・営業を経験後、リクルートスタッフィングにて法人営業に約3年間従事。その後、イントループ株式会社にて人材紹介事業の立ち上げに参画。両面型コンサルタントとしてITハイクラス採用支援や事業設計に携わる。より深い本質的な組織課題解決を目指して株式会社ハッカズーク(レインカンパニー)へ参画。現在は大手IT企業や流通SIerを中心に、上流エンジニア採用の要件定義からプロセス構築・伴走支援を手掛ける。
約60ポジションを抱える大規模採用の課題
──現在の採用支援において、持田さんが特に強みとされている領域はどのあたりでしょうか?
持田: これまで幅広くエンジニア採用を支援してきましたが、特に得意としているのは、IT戦略やDX推進を担う上流工程(PMやITコンサルタントなど)の採用です。単なる母集団形成にとどまらず、事業とITを掛け合わせる『採用要件定義・戦略設計』といったプロセスの上流から深く入り込み、採用の運用業務も含めて伴走できるのが私の強みです。
──現在支援されている企業の概要や採用課題について教えてください。
持田: 今回ご紹介するのは、大手IT・通信企業のグループ企業様での支援事例です。グループ全体のITビジネスや流通プラットフォームを支える非常に重要な事業を担っています。
募集ポジションはプロジェクトマネージャー(PM)、ITコンサルタント、インフラやセキュリティなど、IT職種全般に及びます。常時50〜60ポジションほどの求人が稼働しており、若手層から事業を推進するハイクラス層まで、年間を通じて非常に大きな採用目標を掲げていらっしゃいました。
企業独自のバイアスを抜け出し、共通課題を見極める

──50〜60ポジションというのは相当な規模感ですね。参画当初はどのような状況だったのでしょうか?
持田: 参画当初はRPO業務を中心に対応させていただいていました。ただ、ご一緒させていただく中で、ポジション数が膨大であるゆえに、課題が複雑に絡み合い、「どこから手をつけるべきか」が整理しきれていない状態であることがわかってきました。
60あるポジションで個別求人ごとに対応してしまうとやはりキリがなくなってしまうため、まずはATS(採用管理システム)から各ポジションの選考歩留まりデータを抽出・可視化し、人事担当者様と共に共通の課題を整理し、課題ごとにとりうる打ち手の整理から進めていきましたね。
──整理していく中で具体的にどのような課題がありましたか?
持田: 具体的な課題の1つとして、書類選考の通過率が約10%前後で低迷しており、エージェントからの推薦数・質ともに停滞していたのが大きなボトルネックでした。
原因としては、現場からのターゲット情報の不足、エージェントへの情報の共有不足、求人票と実態のミスマッチなど様々考えられますが、全体としてどういう課題傾向があるのかを人事と一緒に定義付けしていきました。
──共通課題を見つけていく際のコツやポイントはありますか?
持田: 仮説を立てたら、現場やエージェントに直接話を聞きに行って確かめることです。持ち帰った情報を人事側で議論し、「現実的に可能か」「優先度を落とすか」を精査しながら進めていくのがポイントですね。
また、インハウスの人事の方だと、時にして自社独自のやり方から離れられなくなってしまうケースもありますが、私たちのような第三者が俯瞰した視点や仮説を持ち込み、「短期的な仮説検証を繰り返しながら中長期的な成果を狙う」姿勢にし、取り組む課題を整理していくことが重要だと思っています。
個別対応ではなく、「面」で動かすエージェントコントロール

──見つけた課題から具体的にどのような取り組みを進めたのでしょうか?
持田: 実は参画初期、特定のエージェントと個別に密なコミュニケーションを取り、手厚く情報提供して書類選考通過率を上げようと取り組まれていました。
しかし、複数のエージェントを活用する中で、特定エージェントとのやり取りに時間をかけてしまうと全体の情報の流動性が下がり、効果が出にくいという壁に当たってしまうことがあります。
──手厚い個別フォローが、逆に効率を落とすこともあるのですね。
持田: そうですね、そこに気づいてからは、個別の「点」の対応を一旦ストップしました。
個別のコミュニケーションに時間をかけるのではなく、全てのエージェントに対して等しく透明性の高い情報を届ける「面(全体)」のアプローチへと舵をきりました。
──具体的にはどのような「面」の施策を行ったのでしょうか?
持田:探り探り進めるよりも、現場でお見送りになった理由(不採用コメント)などを収集・蓄積し、それを特定のエージェントに限らず、フィードバックする「面での仕組み」を構築しました。現在はATSを通じた自動配信や、AIを活用した簡易レポートの共有なども検討しています。
また、エージェントごとで理解度が異なっていることがあるため、企業の理解度や実績、決定率、想定するパフォーマンスとのギャップを洗い出し、優先順位(セグメント)をつけてコミュニケーションプランを設計しています。
事業概要しか知らない状態であれば、事業のインプット、求人内容は知っているが合格基準が伝わっていないなら、見送り理由や合格事例を伝えます。個別対応は避けますが、一律で対応してしまうとうまくいかないため、ある程度エージェントのセグメントに分けて対応が必要です。
定量成果とクライアントからの評価
──一連の「面」による施策によって、どのような成果が得られましたか?
持田: 10%前後で低迷していた書類選考通過率が、15〜16%へと着実に向上してきています。
不採用理由の解像度が上がったことで、エージェントから見当違いな推薦が減り、マッチ度の高い候補者だけが集まる状態を作ることができたことが大きいと思います。
また、PDCAを回す上で「なぜこれをやるのか」という前提や目的を人事担当者の方達と定義しておけたことで、途中で迷走しそうになった時に立ち返れる軸を作れたのは変化としてあります。
地道な仮説検証と「顧客想い」で勝てるプロセスを作る

──エンジニア採用の難易度が上がる中で、これからの採用担当者が押さえておくべきポイントは何でしょうか?
持田: 今のITエンジニア採用市場は非常に過熱しており、飽和状態と言っても過言ではありません。「これさえやればすぐに採れる」というような魔法のノウハウや特効薬は正直存在しないのが現実です。
だからこそ重要なのは、自社に合った採用プロセスを「地道な仮説検証の繰り返し」によって作り上げていくことです。一朝一夕でできるものではありませんが、自社独自の勝ちパターンを泥臭く構築していくことこそが、今の市場を勝ち抜く唯一の道であり、私たちとしてもこれまでの経験から支援先に適した手法や仕組み化を提供していけると考えています。
──その地道な積み上げは根気が要る作業だと思いますが、LeINの皆さんが折れずに伴走し続けられる原動力は何ですか?
持田: シンプルですが、「目の前のお客様の力になりたい」という想いや愛着ですね。 採用担当者様は社内で孤独になりがちで、「本当にこのやり方でうまくいくのだろうか」と不安を抱えながら業務を進めていることも少なくありません。だからこそ、私たちは一歩引いた位置から作業するのではなく、共に悩み、考え、手を動かします。 密に連携して伴走するからこそ、クライアントや事業に対する強い愛着が湧き、「絶対に成果を出して貢献したい」という気持ちで愚直に向き合い続けられるのだと思います。
──最後に、エンジニア採用に悩む企業の採用担当者様へメッセージをお願いします。
持田: 単なるオペレーションの代行ではなく、お客様が今直面している採用の課題に対して、「本当の課題はどこにあるのか」を一緒になって見つけ出し、解決策を共に作り上げていきたいと考えています。
採用手法が複雑化する今、1人で抱え込んで成果が出ずに悩んでいる人事担当者様も多いはずです。まずは現状の違和感や悩みをそのままぶつけていただき、一緒に「自社独自の勝ちパターン」を地道に作っていければと思っています。どんな複雑な課題でも、ぜひお気軽にご相談ください。
──本日は貴重なお話をありがとうございました。
「現場との連携がうまくいかない」「今の母集団形成に限界を感じている」とお悩みの採用担当者様へ。
LeINでは、目先の採用数だけでなく、本質的な組織課題から伴走するRPOサービスを提供しています。まずは貴社の現状の採用課題について、エンジニア採用のプロに無料相談してみませんか?


