ダイレクトリクルーティングに裏技なし。成功を掴む「採用PDCA」の極意

ダイレクトリクルーティングに裏技なし。成功を掴む「採用PDCA」の極意

多くの企業でDX推進やシステム内製化が求められる中、ITエンジニア採用市場の競争は一層激しさを増しています。

ITエンジニアを採用するために多くの媒体を活用したり、ダイレクトリクルーティング業務に日々奮闘している担当者も多いでしょう。 しかしスカウトを送っても反応が得られない状況が続くと、つい即効性のある「スカウトの裏技」を探したくなってしまうかもしれません。

しかし、ITエンジニア採用を成功に導く本当の鍵は、一時の飛び道具に頼ることではありません。

本記事では、数々の現場でITエンジニア採用を成功に導いてきたLeINのプロフェッショナルに、スカウトを含めた採用支援で着実に結果を出すために取り組んでいるプロの技をインタビューしました。


こんな方におすすめ

  • ITエンジニア(PM・ITコンサル等)の採用を担当している方
  • ダイレクトリクルーティング(DR)の採用PDCAがうまく回せず悩んでいる方
  • 採用のどこから優先的に手を付けるべきかに悩んでいる方

吉見 幸浩

吉見 幸浩(よしみ ゆきひろ): 株式会社ハッカズーク レインカンパニー カスタマーサクセス部 ユニットリーダー

新卒で大手人材会社に入社し、約20年間にわたりHR領域に邁進。人材紹介事業の「0to1」立ち上げメンバー、事業責任者、スカウトサービスのカスタマーサクセスチーム責任者などを歴任。 その後、より顧客の事業課題に深く伴走する支援を求め、株式会社ハッカズーク レインカンパニーへ参画。現在はユニットリーダーとして、大手IT企業やユーザー系SIerを中心に、エンジニア採用の戦略設計から運用・組織課題解決まで幅広く手掛ける。

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大手グループ企業向けSIerのエンジニア採用

──まずは、ケーススタディの企業の概要や採用課題について教えてください。

吉見: 大手企業グループのグループ企業向けSIerです。従業員数は約300〜400名規模で、グループ全体の営業系・経理系システムから最新のAI関連システムまで、グループ内のIT・DXを一手に担われている企業です。

これまでは外部ベンダーへの委託が中心でしたが、近年のDX推進・内製化の文脈に伴い、中途採用を大幅に強化されています。

──具体的にはどのようなポジションの募集を担当されているのでしょうか?

吉見: プロジェクトマネージャー(PM)、ITコンサルタント、インフラエンジニア、セキュリティエンジニアなど、IT職種全般です。レイヤーもメンバークラスから経営・事業を推進する管理職クラスまで多岐にわたり、年間を通じて高い採用目標を掲げていらっしゃいます。

本件では、ダイレクトリクルーティングでのスカウトの配信と返信があった候補者様とのカジュアル面談をLeINで対応しています。そこで意向が高まった方をクライアントへ繋ぎ、正式応募を獲得するまでのプロセス(スカウト上流の設計から運用まで)に携わっています。

成果とデータに基づき人事との強固な信頼関係を築く

──クライアントの人事や現場とゼロから信頼関係を築くためにどのようなアプローチを行っていますか?

吉見: 大手企業の人事担当者は、現場部門との調整や既存業務に追われ、新しい施策に踏み込みづらい構造的な課題を抱えているケースがあります。そのような状況で、我々のような外部パートナーがいきなり「現場の方に会わせてください」とお願いしても、協力は得られません。まずはRPOとして「定量的な数字の成果」をしっかりと出し、人事の方に「この担当者になら現場を任せても大丈夫だ」と安心感を持っていただくことが最優先だと考えました。加えて徹底したのが、「人事に課題を指摘される前に、データに基づいた先手の提案を行うこと」です。

例えば、この企業ではメインの施策としてスカウト運用を推進中で、スカウトの運用データを週次で細かく分析していた際、メンバー層と管理職層でスカウト返信率に明らかな差が出ていることが分かりました。

──どのような原因があったのでしょうか?

吉見: メンバー層向けに効果的だった「上流工程に挑戦できる」というアピール文面が、管理職層にもそのまま配信されてしまっていたんです。管理職層からすれば「上流工程はすでにやっている」となってしまうため、候補者の心には響きません。

そこで、「管理職層のペルソナに合わせて、より経営や組織マネジメントに近い魅力を打ち出した文面に変更しましょう」とデータ根拠をもとに先手でご提案しました。スカウト媒体などはデータも蓄積しやすいためこのような客観的な数字に基づく提案が可能です。

受身の作業代行にとどまるのではなく、数値データから課題を特定して先手を打つ。この姿勢を重ねることで「LeINは自社の採用を本気で考えてくれている」と深い信頼関係を構築することができました。

ダイレクトリクルーティング(DR)に裏技は存在しない|勝敗を分けるのは泥臭い採用PDCA

──ダイレクトリクルーティング(以下、DR)の運用においては、どのような工夫をされたのでしょうか?

吉見: ターゲットの属性や出身業界に応じた「段階的なカスタマイズ」です。

候補者個人の経歴に対する個別カスタマイズはもちろんですが、その手前の「どのような業種・立ち位置にいる人か」というペルソナ別の分類(大分類・中分類)を丁寧に行いました。

──ペルソナごとの訴求とは、具体的にどのようなものでしょうか?

吉見: 例えば、同業の事業会社IT部門にいる方、大手ユーザー系SIerの方、中堅SESやSIerにいる方では、転職において求める魅力(刺さるポイント)が全く異なります。

  • 大手ユーザー系SIer・事業会社層: 「事業会社とベンダーのいいとこ取り」ができる立ち位置(経営や事業戦略に極めて近い場所でIT企画・コンサルに関われる環境)が強い魅力になる。
  • 中堅SIer・SES層: 大手グループならではの絶大な事業規模感や安定した開発環境が強い魅力になる。

ターゲットごとに「この属性のエンジニアは何に魅力を感じるか」の仮説を立て、スカウトメッセージの構造を最適化していきました。

──長年採用支援に携わっていると、スカウト「これすれば勝てる」というような“プロの裏技”のようなノウハウはあったりするのでしょうか?

なぜダイレクトリクルーティング(DR)に「裏技」はないのか?

吉見: 結論から言うと、スカウト採用に飛び道具や「裏技」のようなノウハウは存在しません。「この文章を使えば返信率が跳ね上がる」といった万能なテンプレートなどを求めたくなる気持ちはとてもよく分かるのですが、DRの世界はそれほど単純ではないのが現実です。

なぜなら、スカウトの成果は単に本文の良し悪しだけで決まるわけではないからです。配信する「曜日や時間帯」、最初に目に入る「件名」、本文の「訴求内容」、送信者である「企業のブランド力」、さらには受け取る候補者側の「現在の転職意欲やキャリア思考」まで、無数の変数が複雑に絡み合って成立しています。

ある企業で絶大な効果を発揮した文面であっても、ターゲット層や企業フェーズが異なる他社にそのまま移植した途端、全く反応が得られなくなるといったケースは珍しくありません。

──では、DRで成果を出すために最も重要なことは何ですか?

吉見: 地道かも知れませんが、「仮説検証のPDCAサイクルを誰よりも泥臭く、高速で回し続けること」です。

スカウト媒体の最大の強みは、送信数、開封率、返信率といった「データ」が数字として即座かつ明確に出ることです。

だからこそ、「どのペルソナにどの文面が刺さっているか」「なぜこの層の返信率が落ちているのか」を日次や週次単位で数値から厳密に読み解き、文面やターゲット調整の改善回数を愚直に積み重ねていく。飛び道具に頼らず、この地道なPDCAサイクルを高速で回し続けることこそが、DRを成功させる近道だと思います。

──とはいえ、日々の業務の中でそこまで細かいPDCAを回し続けるのは、企業の人事だけでは難しい部分も多いのではないでしょうか?

吉見: おっしゃる通りです。だからこそ我々のようなプロの存在意義があると思っています。

一般的な採用代行(RPO)の場合、決められたマニュアル通りにしか動かないケースも少なくありません。しかしLeINでは、人材紹介出身などHRの専門性を持ったメンバーが、上流の設計だけでなく日々のスカウトオペレーションまで直接担います。

採用の全体像を理解しているプロが手を動かすからこそ、候補者の反応や現場の温度感に合わせた機動的な対応ができ、マニュアルを超えた質の高い採用PDCAを高速で回すことができるのです。

絡み合った採用課題の「センターピン」を見つけ出し、紐解く

採用課題の「センターピン」を見つけて紐解いていく

──プロジェクトをご支援する中で、特に大変だった場面や工夫されたことはありますか?

吉見: 支援に参画した当初、採用に関する様々な課題や要望が複雑に絡み合い、何から手を付けるべきか混迷している状態でした。

そこで私が最初に行なったのは、「課題の優先順位付けとセンターピンの特定」です。

──課題の「センターピン」とはどういう意味でしょうか?

吉見: ボウリングで言えば、「ここを倒せば、周りのピンも一気に倒れる」という本質的な重点課題のことです。

あれもこれもと目先の課題に手を出すのではなく、「今、最もボトルネックになっている部分はどこか」をデータとヒアリングで整理しました。そして「まず一番上のこの課題を解決しましょう」と優先順位を明確にし、一つずつ愚直に課題を紐解いて潰していきました。

優先順位が整理されたことでプロジェクトの推進力が劇的に上がり、関係者全員が同じ方向を向いて走れるようになりました。

定量成果とクライアントからの評価

──一連の取り組みによって、どのような成果が得られましたか?

吉見: 定量的な成果としては、年収1,000万円を超えるハイクラスの管理職や難易度の高いポジションにおいて、「DR経由で月1名ペースの採用決定」を継続して出すことができています。クライアントが元々掲げていた年間目標数字も、大幅に前倒しで達成しています。

また定性面でも大きな変化がありました。スカウト運用やカジュアル面談での魅了付け、スピード感あるオペレーション対応に至るまで、弊社側のプロジェクトメンバーの動きに対してクライアント企業から「本当に頼りになる」と絶大な信頼をいただけるようになりました。

今後は採用決定だけでなく、その後のオンボーディングや事業課題解決まで見据えた支援へとフェーズを引き上げていきたいですね。

採用支援ナレッジを組織全体で担保するLeINの仕組み

──今回のお話を通して、幅広い支援を実現するためにさまざまなスキルや知識が必要と感じましたが、LeINではどのように品質を保っているのでしょうか?

吉見: RPOにおいて担当者の品質の再現性をどう担保するかは極めて重要です。LeINでは個人の経験だけに頼らない組織的な仕組みづくりを進めています。

具体的には、社内勉強会を通じて若手や新メンバーへのノウハウ還元を行っています。加えてスカウト・リクルーティング等に突出した専門性を持つ「テクニカルリード」という横断的な役割も設置しました。専門スキルを持つスペシャリストがプロジェクトを横断して戦略設計や立ち上げをフォローすることで、どのメンバーが担当になっても高い品質と成果を提供できる体制を整えています。

属人化しやすい業態だからこそ、組織全体でこれらの仕組みを設けることで、幅広い支援が実現できていますね。

ナレッジを組織全体で担保するLeINの仕組み

「本質的な採用支援の価値」とLeINの真価とは

──最後に、採用活動に悩む企業の採用担当者様へメッセージをお願いします。

吉見: 長年人材業界に携わっていますが、現在の採用市場は手法や媒体が多様化・複雑化しており、採用担当者様が一人で抱える負担は非常に大きくなっています。そのため、課題が複雑に絡み合い、「正直何から着手すべきか分からない」と迷われることも多いはずです。

そうした局面だからこそ、「自社の採用におけるセンターピン(最優先課題)はどこにあるのか」を見極める視点が不可欠です。

そして、私たちが考える「本当に価値のある採用支援」とは、単に「目標の人数を採って終わり」にすることではありません。「入社した人が活躍し、事業や経営課題の解決に貢献できるか」という“採用のその先”まで見据えて伴走することです。

採用はあくまで事業課題を解決するための手段に過ぎません。「決まった人が入社してくれたおかげで、事業がこれだけ成長した」と言っていただける状態を作ることこそが、私たちが提供すべき本当の価値だと考えています。

オペレーションだけを切り出して請け負う大型RPOや、安価で決まりきった業務のみを行うパッケージ型RPOとは異なり、LeINは、エンジニア採用に対する深い専門性と、「顧客の課題に合わせたカスタマイズ型の提案」から「泥臭い現場の運用」までを一気通貫で手掛ける柔軟性を強みとしています。私たちは単なる作業の代行業者ではなく、企業の課題のセンターピンを共に探し出し、事業の成長まで泥臭く伴走するパートナーです。

エンジニア採用や組織課題でお悩みの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

──今回は貴重なお話をありがとうございました。

「現場との連携がうまくいかない」「今の母集団形成に限界を感じている」とお悩みの採用担当者様へ。
LeINでは、目先の採用数だけでなく、本質的な組織課題から伴走するRPOサービスを提供しています。まずは貴社の現状の採用課題について、エンジニア採用のプロに無料相談してみませんか?

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